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小児の発熱(H18.5.17作成、H18.5.19改訂)

体温は、わきの下、太った赤ちゃんなら首の下で測る。
電子体温計ではピピっと鳴るまで。
耳の中で数秒で測る体温計は高めに出たり低めに出たりすることがあるので、勧められない。
小学生までの子どもは、37.5℃未満は正常、37.5℃以上が発熱、37.5~37.9℃は微熱。
もちろん個人差はあるが、夏か冬か、朝か夜か、食事の前か後か、思春期かどうかで体温は変動する。
予防接種を受ける時に、『明らかな発熱』とは37.5℃以上となっている。

発熱時の対処と解熱剤(H18.5.19)

熱の出始めで、寒くてガタガタ震えている時(=悪寒)は暖めるように、逆に熱が上がりきって熱そうにしている時は薄着にして冷やしてあげて。
市販の『冷えぴたシート』などを使ってよい。
『体を温めて汗をたくさん出させると早く病気が治る』は誤り。

38.5℃以上の発熱があって、そのために元気や食欲がない時は解熱剤を使用してもよい。
小児に安全に使用できるのはアセトアミノフェン(小児用バッファリン、カロナール、アンヒバ、アルピニなど)とイブプロフェン。
アスピリンはインフルエンザやみずぼうそうの時に使用すると、ライ症候群(脳と肝臓が冒される病気)やインフルエンザ脳症と関係があるとされている。PL顆粒にはこのアスピリンが含まれているので使用は勧められない。アセトアミノフェンには粉薬、シロップ、錠剤、坐薬があるが、効果に差がないと言われている。
解熱剤は一時的に熱を下げる薬であって、病気を元から治す薬ではない。
5~6ヵ月以前の赤ちゃんには使用しない方がよい。
薬の量にもよるが通常は使用の間隔は6~8時間あける。
解熱剤を使用しても熱が下がらないこともある。高熱(または頭や耳や関節の痛み)の症状がある時だけ使用する頓用が原則。
『高熱で脳がやられないか?』という心配される方がいるが、体温が41℃を超えなければ、熱自体で脳が障害されることはない。発熱の原因が脳炎や髄膜炎の場合は別。

熱性痙攣の予防(H18.5.17)

熱性痙攣(=熱でのひきつけ)の予防にダイアップ坐薬が使われる。
2回以上のひきつけ、1回だけでも15分以上、生後半年以前に初めてひきつけた、脳波異常のある場合などが使用の対象となる。
37.5℃(平熱が高いお子さんでは38.0℃)以上に気づいたら、まず1回使用、8時間後に2回目を使用。『8時間後に解熱していたら使用しなくてもよい』と言われることがあるが、その1時間後に再び発熱することもあるので、2回目は解熱していても使った方がよい。
8時間の間隔で2回使用したら、その後1週間は再び熱が出ても使わない。発熱が続くと8時間ごとに何回も使うケースがあるが、使いすぎてフラフラになってしまう。
6歳になったら通常は使わない。6歳すぎても熱性痙攣があれば、脳波検査などが必要。

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